下田メディカルセンターは、海と温泉に恵まれた伊豆半島の南半分を占める賀茂医療圏内にあり、下田市・南伊豆町・西伊豆町・東伊豆町・河津町・松崎町の1市5町で構成する一部事務組合によって開設された公立病院です。南伊豆町にあった共立湊病院を前身として2012年に下田市に移転し、指定管理制度により医療法人社団静岡メディカルアライアンスが管理運営を行っています。
伊豆半島南部は自然豊かなところである反面、非常に医療資源の乏しい地域でもあります。そこに存在する当院にとって急性期医療への対応は公立病院として大変重要な責務です。年間約1200台の救急車を受け入れ、地域で発生した救急患者さまは可能な限り当院にて対応するべく努力をしています。当院で対応が困難な高度専門的治療を要する一部の重症者等については、静岡県東部の複数の高次機能医療機関に受け入れて頂き、地域の方々が必要な医療を受けられないといった事がないように関係医療機関と連携体制を整えています。
当院が属する賀茂医療圏の高齢化率は45%を超えており、急性期医療を終えた後の早期自宅退院が困難となった高齢者の方々に対する在宅復帰支援も当院の役割として重要となっています。急性期一般病棟・地域包括ケア病棟に加えて、主に軽症から中等症の疾患にて救急搬送された高齢患者さまを対象とした地域包括医療病棟を整備して機能を分化させ、同一施設内でシームレスに対応できる体制を構築しています。急性期医療を終えた後の療養を行う地域包括ケア病棟においては、急性期病棟からの転棟だけでなく、在宅医療や介護を受けている方々の直接入院を受け入れる事で、訪問診療を行う近隣開業医の先生方や在宅介護を行なっているご家族の後方支援的な役割も担っています。
当院はこれからも地域医療を支える中核的医療機関として、地域住民の皆様の医療ニーズに応えるよう、努力して参りたいと存じますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。
令和6年 病院長 伊藤 和幸